【八甲田山】「飛べない日は裁縫でも」
2020年10月5日 八甲田山 田代平
暴風雨~晴れ 10度(写真 手術後の寝袋君)
標高600m、高原の夜。あまりの寒さに寝袋に飛び込むと「あれれ、この寝袋君は二股かい?」。 時すでに遅し。寝袋を足で内側から破ってしまったのだ……。 その晩は寒さと眠さにかまけて見なかったことにして寝た。そして翌朝、破れはグンとひらき当初の3倍になっていた。「俺としたことが……」
本日は暴風雨で飛べないと分かっていても、朝の光を確認したいのが撮り手の性。かっきり日の出の5:30には起きて空を眺める。そしてあれこれ本日が動きだしてしまう前に寝袋君の手術にはいる。
この寝袋君とは26年の付き合いになる。購入時、探検部の二回生だった僕はユーコン川を下るためカナダに向かった。その際ホワイトホースで買ったマイナス20度対応のNorth Face。このメーカーだと値が張るという印象が強いのだが、今はどうなんだろう。じゃ、当時はお金を持っていうと極貧で、これしかなくてこれを手にしたという次第。「アウトドア大国のカナダに行ったらなんでもあるって言ってたじゃん、先輩!」ってのは後の祭。北に行けば行くほどモノは限られ、値が上がるって顛末も。まあいいか。
パラグライダーの破れを手術するために常備する針と糸。それを工具箱から引っ張り出し、寝袋君の手術を開始する。といってもガンガン縫うだけなんだけどさ。改めて普段とは違う角度で触ることで寝袋君の傷みやヘタレなどが見えてくる。モーターパラグライダーのエンジンもそうなんだけど、綺麗に掃除すると修理すべき所を発見できたりして、モノってのは労るほどに見えきて愛着が増すよね。そういやこの前、シリンダーヘッドの緩みも確認できたしね。
黄色と白い糸は10歳の娘がやってくれた手術。半年ぐらい前にね。お駄賃30円。黒は俺。親子そろっての裁縫ってのもいいもんだ。なぜか娘が縫った跡にはマッキーでサインが書いてあったが…… フー、気持ちスッキリ。イイ撮影ができそうだぜ!
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