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【八甲田山】10/10「待ちの一手ですな」



2020年10月10日

八甲田山 田代平 5度

(写真 愛車白熊とベース)


 田代平でのステイが一週間になった。その間、八幡平(岩手)、栗駒山(岩手)そして上高地(長野)などの紅葉が最盛期を迎えている。SNSや友人の写真家からも「見てみて!」てなかんじで毎日のように撮れたてのオンパレード……。急遽、移動して一発飛ぶか。との誘惑に駆られるがここは我慢。いつものことだが、待ちの一手。パァっと行ってパァと撮るじゃ、見えてこないし語れねえよ(格好つけ!) 綺麗なだけの映像を撮りてえんじゃねえんだよ(またヒネクレている!)。少しでもその土地を知って納得して飛びてえんだよ(追い打ちをかけてるぞ!)。実情としては、急遽現場に入ってもベースを確保して高気圧をまってると、八甲田山が見頃になってるわけだ……。ってことはもっと計画性をもってやれってこと?! まあいい、今回は青森と秋田だ、我慢。世の中、便利になりすぎて邪気が多いぜ! 


 そんな中と言っては何だが僕が滞在している場所は「八甲田山死の彷徨」(新田次郎著)の舞台。この本では冬の八甲田山を舞台に、日本陸軍が雪中行軍中に未曾有の暴風雪と遭遇。200名の死者をだした実話が小説として描かれている。時代背景は明治時代、日露戦争の前。行軍の続行か撤退か。その判断を迫られたのは、なんと靑森庁舎を出発してわずか5キロの地点。急激な気象変化を目の当たりにしつつも、出発した手前、激励をうけた手前、住民の目、軍の威信など、指揮官の判断とは離れたところで下された決断。つまり「メンツ」が前にでてしまった。その結果が世界最大級の山岳遭難事故を引きおこす。

 本を読んだだけじゃ読み取ることのできなかった5キロという距離感。それを実感するとこたえるわ……。やっぱ現地にはいらないとはじまらねぇーわ。八甲田を飛んで、俺は何に目を向けるかが楽しみになってきたわい!


 どうやら八甲田山は山の西側が表八甲田と呼ばれ「This is the 八甲田」的な景観のもと観光客は多い。ロープウェイもかかっているしね。しかし、今回の撮影は東側の裏八甲田がメインになりそうだぜ。雪中行軍の舞台、そしてどうも田代平の湿原になにか感じるところがあるのだ。





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