【写真_1】戸沢村蔵岡ベース
【写真_2】高気圧の朝は霞がかかるものだが、戸沢の霞は特に濃い。午前中一杯は駄目なそうな。
【写真_3】最上峡。その奥には庄内平野が見える。収束帯を風と水が勢いよく流れて撮るどころではなかった。
一本目。7時離陸。最上峡へ近づくと急に風が強くなりパラが進まなくなった。東から西へと吹く風。風速10m。このクラスの風を正面から受けるとパラは前に進まなくなる。風がさらに強まるとバックする。風に弱い乗り物と分かっちゃいるが......。山形の風は強くでる確立がとても高い。気が抜けない。
最上川は出羽山地にできた僅かな隙間を抜け日本海へと流れでる。同様にその隙間を風も通り抜ける。隙間をいく水と風は収束され勢いを増し強くなる。水道に付けたホースをグイと親指で握ると水圧が高まるあれと同じだ。勢いついた風を背負ったらあっというまに渓谷を飛び抜け、庄内平野へ吹き飛ばされてしまう。撮るどころではなく、戻ってこれなくもなる。それは避けたく、強烈な向かい風のなか進める空間を探し最上峡を脱した。
着陸後、「とんでもない風だね」と山形サポーターの飯野さんに話すと、ここは日本三大悪風の場所だよと教えてくれた。どうやら最上峡を挟んで東から西にむけて強烈な出し風が吹くようだ。その風は町の名前をとり清川の出し風と呼ばれている。日本海側では内陸から海へ向かい吹く風を「出し」いい、太平洋側では「降ろし」という。分かったことは、どうやら清川の出し風は山形が高気圧に覆われると発生するようだ。通常、高気圧に覆われると大気は安定し風は穏やかになる。そんな朝は霧や霞が発生しやすい。逆に低気圧がやってくると風が強く出る。低気圧の親分が台風だ。感覚的にご存じかと思う。しかし、その高気圧で風がでるとは……。いったいいつこの戸沢空間を飛べるのだろうか。不思議なものである。
日本三大悪風には岡山県那岐山麓で吹く「広戸風」、四国山地を吹きおろす愛媛県伊予三島の「やまじ風」、そして山形の「清川の出し風」とがある。地域風に合わせて暮らしがある。面白くなってきたわい!
Have a nice day !!!
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【追記】 あんまり専門的なことを書くと、離脱を恐れ思い書くのをためらっていたが、以下が高気圧で強風が発生する理由。
高気圧の特性である穏やかな東風。それが収束帯(最上峡)を通り抜けることで加速するんです。通り抜けた先の庄内平野(日本海側)には低気圧があって、その東風を吸いこんでる感じ。通常の気象現象なのだけれども、収束帯があることで、風がベラボウにあがるということ。もう少し具体的に表現すると、山形を南北に隔てる出羽山地。その東に陣取る新庄周辺に高気圧があると、そこで吹く穏やかな東風が最上峡の収束帯へ導かれ加速し強風となる。その先の日本海にはその風を吸い込む低気圧が陣取っている。ダイナミック山形! ————————————— ★「そら手ぬぐい」で応援しよう!★ 飛んで撮ってシェアし続ける。 この活動を続けるために、手ぬぐいを作りました。手ぬぐいに描かれたイラストは多胡描き下ろしの旅の記録です。 多胡の活動はテレビやスポンサーをつけず、自己資金とサポーターの皆さんの協力で成り立っています。Read more… https://www.tagoweb.net/shop-1 ————————————— たごてるよしwebsite https://www.tagoweb.net ————————————— #多胡光純 #たごちゃんねる #たごてるよし #地域資産の映像化 #地域資産 #空撮 #上映会 #最上川 #清川のだし風
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