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【秋田・熊取平】開拓したご本人は映像に何をみるか


【写真】熊取平にひろがる前田牧場。早朝、霞に覆われている。

【写真】開拓道をいく前田さんのトラック。右の緑がフライトエリア。



小雨が風にのる。熊取平のフライトエリアは白いガスで覆われている。太陽光発電もうまくいかないので、車から発電機を降ろし回す。思いのほか小雨で体は濡れた。


午前7:00。堆肥満載のトラックを運転する前田さん。毎日のように開拓道の一本道を行き来する。前田さんは牧場主。戦後、新潟から熊取平に入った開拓者だ。「オハヨウ、雨だね」と俺。「??????????」と前田さん。今回ばかりは言っていることが全く分からず相づちを打てずにいると「飛べない日は事務仕事で忙しいんでしょ、頑張ってね」ということを言っていたらしい。たどたどしく、分かる言葉で伝えてくれた。優しい60代半ばのオッチャンだ。「食料の買い出しと風呂に入るにはどこに行けば良い?」と尋ねた。「毛馬内だね、ここには何もない」。「発荷峠の手前を左折れでいいのかな?」「んだ、40分ぐらいかかる。また、戻ってくるから地図かいてくる」。「ありがとう!」。広大な芝生のフライトエリアの隣に一本の開拓道がはしる。たわいのない会話だが、とても暖かかった。


前田さんの牧場を僕はかなり撮っていた。秋と夏。なぜなら熊取平の象徴だと思ったからだ。周辺には牧場経営を放棄し、半壊している牛舎もある。牧場の個人経営から手を引き、企業と組み集団で働く牛舎センターもある。それら含めて全て撮っていた。


「一緒に映像見ようよ」と前田さんに尋ねてみた。前田さんが飛ぶことに興味津々なのは分かっていた。一日に3回ぐらいすれ違うのだが、そのたびに車を止め気にかけてくれ、ときに話す。いつしか僕は前田さんと撮った映像をみたいと思うようになっていた。多くの人を集めて上映会をやるのもいい。しかし、その当事者と一緒に見たい映像がある。上映会のことを話すと、前田さんは嬉しそうに頷いてくれた。日程的に今回の滞在では成らず、秋にやろうということになった。紅葉の撮影で僕はまたこの界隈にいるはずだ。少し時間ができた。それまでに熊取平界隈に暮らす人に周知してもらい、ちょっとした会を開けたらとも思う。


Have a nice day !!!



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