【写真】八戸市大久喜漁港に忍び寄るヤマセ。東の海からやってきている。背後の山は階上岳。2021.7/16.
東北は7/16に梅雨があけた。四国、近畿、東海より早い梅雨明けは24年ぶり。通常だと月末。異例の早さだ。夏がやってきた。高気圧が日本を大きく覆う。それにともないヤマセは来なくなると言う。昨日、ヤマセが撮れた。ギリギリセーフだった。
オホーツク海に高気圧があって、日本の上に低気圧があるとヤマセは発生する。低気圧がオホーツク海の冷気を吸いこむとき、ヤマセは発生していた。
地元の人はヤマセをケガジとよぶ。どうゆう漢字か聞いたが、どうやら話し言葉らしい。同年代のK.Sさんと話した。
小学校で習ったヤマセは飢饉をひきおこす厄介者と習っていた。大昔のことだろうと。そのことについてもう少し聞いてみた。するとヤマセが酷い年は祭りがなくなると教えてくれた。80年代前半、小学二年の時に二年連続で祭りがなかったという。その夏は8月でもコタツを炊いたという。僕は「祭りがないのは残念だな」ぐらいに思っていた。すると彼は続けた。笛吹きや神輿担ぎなど伝統が引き継がれないんだよね、と。引き継ぐ引き継がれるは大人の考えだけれど、子どもにとってはそれ自体を知らないで大人になってしまうんだよ。子どもにとっての二年はとてつもなく長い時間。そこが空白になる。コロナも同じだよ。文化を破壊しているんだよ、と。既存路線と新たな風の吹く世界とを思いながら、僕は八戸の海を眺めていた。
移ろいゆく季節のもと、ヤマセは役目を終え今年も夏になった。
「八戸の夏は一週間ぐらいだから、あっという間に秋だよ」。白浜海水浴に面する駐車場を管理する高橋さんから聞いた言葉が耳に残る。今年、八戸では夏が少しだけ長くなりそうだ。
Have a nice day !!!
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