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【八甲田山】10/16_ver3「着陸したら熊がお出迎え」


(写真 熊は奥の茂みからパラに向かって直進。パラの手前には撃退に使ったフライパンが転がる)

2020年10月16

秋田県鹿角市熊取平


 八甲田山のファーストフライトを終え着陸。やっと飛べた嬉しさから、パラは牧草地に広げたまま京都にいる嫁に電話。話し込んでいると、黒い岩のような物体がパラにむかい進んでいる。んんん…… なんだ? 犬にしてはデカい! 熊か? ジリジリと歩く姿からどうやら熊と分かった。ちょうど僕の車の前には「通行止・熊殺傷現場・危険」の看板もはってある。ああ、本当にいるんだね。位置関係は僕、パラ、熊はちょうど一辺100mの三角関係。



 僕はカナダ北部やアラスカ、北海道をかよってたことが長く、熊へのビビり度は通常の人に比べると低いかも。でもグリズリーは別ね……。ま、本当の怖さを知らないんだろうな。カナダのブラックベアーとはテントの生地ごしにハイタッチしたり。アラスカでは川を泳いでくる同じくブラックベアーをフライパンを叩いて嫁と一緒に撃退。知床では海っぺりに着陸したら、どうやら僕は遡上する鮭と熊のあいだに降りてしまったらしく、お互いに気まずい思いをしたり。



(写真 時には看板を信じよう! ほんとに出たんだわ、熊!)



 で、今回の鹿角熊取平のツキノワグマ君はパラが好きなよう。ノソノソとパラグライダーへ向かっているではないか。「なにやってんじゃい! パラなんか喰ってもうまくねえぞ!」とか言っても通じない。急ぎ愛車の白熊からフライパンを引っ張り、スプーンで叩く。「カンカンカン、カンカンカン」。乾いた音が牧草地に響く。「カンカンカン、カンカンカン」。続けると、熊くんは歩みをとめてキョ~ロキョロ。「おお~、日本の熊にもフライパン攻撃は効くんだな!」「おっしゃー、もっと叩いたれ!」「カンカンカンカン、カンカンカン」。フライパンがヘコムぐらい叩く。すると熊くんはくるりと回り、茂みへと帰って行ったのであった。「フーッ」。こっちに来なくてよかったわ。パラも破壊されなくて良かった。それにしても、あの熊は僕のことをずっとマークしてたのだろうか。まあ、エンジン回したり発電機かけたりと、いろいろ音はでている。不意の遭遇はないから安心だぜ、と不安を一蹴。



 このベースは2006年にNHKとの紅葉ロケで使用した牧草地。そのとき嫁は僕の撮影行をサポートしてくれていた。僕は飛び、嫁はベースを守っていたのだ。僕が飛び上がるとスタッフはみんな持ち場へ急行し、嫁はベースに一人。当時も熊が出るとは聞いていたが…… 何もなくてよかったね~って、そんときは新婚ホヤホヤだぜ! 伝説にならなくてよかったわ! ホンマに! 




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