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【種差海岸】9/30「上の階段をあがるには」


(写真 白浜でグランドハンドリングをする俺)


2020年9月30日 

青森県八戸市 

種差海岸



 種差の撮影に挑む。しかし、打ち寄せる波にビビル。「2014年、よくもまあ超低空で撮ったな」と上空でため息。ま、夏と秋とでは風が違うしねと慰めつつ。それにしてもこの時期の風は力があり、容易に岩場へ近づくことができない。空間に慣れただけでフライトで終わる。もう一度立て直したい。


 着陸すると、八戸のフライト仲間が集まりフライト談義。その中に山から飛ぶパラの教官・前田さん(60代)がいた。長靴でペコペコと歩く姿から飛ぶことは想像がつかない。しかしだ! 彼がグランドハンドリングをはじめると俺は目を見張った。身長も体重もさほど僕と変わらなず、むしろ俺よりきゃしゃに見える。しかし、なんだあの身の軽さ。風に逆らわず、風をつかいパラをリボンのように操る。しなやかで、力が全く入っていない。パラはAライザーを握って立ち上げるモノだが(ちょっと専門的でスマン)、それを持たずに立ち上げることもやってのける。「こんなグランドハンドリングはじめてみたぞ!」と俺は声を上げてしまった。俺も急ぎグラハンの準備を始めた。正直なところ、グランドハンドリングは俺ほど練習した人間はいないだろうと思っていた。撮影現場でもやり続けいる。そして撮影におけるパラの立ち上げは無敵だと思っている。しかしだ。彼は上手い。



(写真 フライトする金田一さんとサポートする前田さん 白浜)



 「前田さん、あなたのグラハンはスゴすぎる! 一緒にグラハンをやらせてくれ」と俺は頼んだ。「するといいよ!」と前田さん。砂浜に立つ高さ3m程の岩がある。それをグラハンで登りジャンプ。二人で一緒に楽しんだ。きっと前田さんはこちらの腕前を測っていたのだろう。そして前田さんは言った。この白浜海岸をグラハンで往復するといいと。白浜は500mの海岸線。その線は弧を描き曲がっている。海からの風は一定だが、弧を描いて移動するので、風とパラの角度は常に変わる(ちょっと専門的ですまんな)。パラを横に走らせるときは慣れたもので楽ちんだった。しかし風と正対するといままでのやり方では前にすすまず、非常に体力を消耗した。パラを走らせることに気づき、うまくいくと、今度は山陰に入り風はなくなりパラの安定は至難だった。


 なんとか往復1キロのグラハンをやりのけるとグッタリ。いままでやったことのない練習に学ぶことはあったなと思っていると、前田さんは言った。「課題をつくってやることが大事だ」「自分のペースでやっていると上の段階へはいけない」と。「なるほど!」と俺は大きく頷いた。なんでもそうだと思うのだが、学習曲線ってのがある。ある程度のところまでいくと、伸びが鈍化してくる。初めは面白かったり、上手くなりたかったりでその曲線は急激に上がるモノだ。そしてある程度で落ち着く。あとは各々の目指すレベルが肝になってくるのだが、俺はある意味止まっていたことに気づかされた。自分のペースでやることはいいことだ。しかし、それが自分の出来ることを維持する流れでいると、それは停滞だ。俺はまさにこれだと気がついた。


 俺がやっている超低空撮影はパイオニアワークだと思っている。しかし、その活動だけにフォーカスして周りを見なくなると、活動はつづくが、進化は鈍化し横ばいになる。「ああ、そういえば超一流の選手、サッカーでも野球でもF1パイロットでもなんでもいい。オフシーズンに他のスポーツ選手や芸術家と交流するニュースをよく耳にする。これってまさに今日のことなんじゃないか!」。いままで入っていなかった部分へスイッチを入れる。はたまた、普段使っていない感覚で世界を体感する。このアクションが新たな発見や学習、刺激をもたらす……。


 必要に応じて人生は与えてくれると聞いたことがある。なんか八戸に来てから新鮮な風を沢山うけている気がするよ。「課題をつくってやること」「自分のペースでやっていると上の段階へはいけない」。この言葉は忘れないよ、前田さん! ありがとう!



(写真 山本ひろしさんからの救援物資 鯖の味噌煮とお握り)



【救援物資】

金田一哲朗さん

マスカット 買い物籠やまもり

カボチャの煮付け タッパー満タン


山本ひろしさん

南部せんべい3本

お握り 大1個

鯖の味噌煮 2きれ



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多胡光純 天空の旅人

モーターパラグライダーに乗り空撮してます! 空撮した全ての映像をシェアしてます。映っているのは地元の宝です。お楽しみください!

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